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外資系企業で働くために必要な日本人の英語力とは?

近年、社内公用語を英語にするというユ○クロや楽○みたいな企業が増えてきていますね。

日本がどんどんグローバル化していくに伴って、「英語できるのが当たり前」という方向へ進んでいるのが、国を見ていると分かりやすいです。

日本に支社を置く外資系企業も増えていますし、国内企業でも外国との取引が増加することによって国内だけでは商売が完結することが少なくなってきています。

海外からの商品を多く取り扱っている成○石井や、コストカットのために服を海外の工場で作っているほとんどのアパレル企業が良い例ですね。対外とのやり取りは英語ができる専門の部署が担当します。

では実際に、外資系企業でプロジェクトマネージャーとして働いたこともあり、国内企業の対外国部門で働いたこともある僕から見て、外資系企業で働くために必要な英語力はどの程度のものか?外資系企業で必要なスキルや国内企業との違いは?というのを今回お伝えしていきます。

外資系企業の特徴

まず、物理的な環境の違いについてお話しします。

机のレイアウト

日本では、お偉いさんが先頭に陣取って、その下に部下たちが向かい合って座るような島形式のレイアウトになっています。

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僕はこのレイアウトを「魔のレイアウト」と呼んでいます。

確かに同じ仕事をしているメンバー同士、コミュニケーションが取りやすいというメリットはあります。だけど、常に人に監視されているというとてつもない精神的ストレスが大きすぎる。

というより、コミュニケーションが取りやすいという主張をよく聞きますが、このレイアウトにしたからといってチームがワイワイ話している職場なんて1度も見たことないですよ。目の前や隣に座っているのにお互いにメールでやりとりしている人たちがほとんどです。

このレイアウトにしている意味が全くないですよね?

メリットよりストレスというデメリットの方が大きすぎる。トイレに行ったり、帰宅しようとしたり、ちょっと休憩したかったり等、全ての行動が見られているんです。いやー、本当にきつい。

 

それに対して、外資系ではプライベートスペースを重視したレイアウトになっています。

office

cubicle2※僕がいた会社はこんな感じでした。

いわゆる、cubicle(キュービカル)と呼ばれているんですが、自分のスペースがしっかりとあります。なので、家族の写真や自分の趣味の物を置いて、自分だけの空間をみんな作ります。

このレイアウトは、想像力が働かせるには効果的であることは既に実証済です。その証拠に、想像力を最も必要とする映像製作会社のピクサーのオフィスはこんな感じなっています。

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ホスピタリティー

日本では、有料自販機の設置はありますが、外資系の多くでは無料サービスのコーヒーマシーンとウォーターサーバーが設置してあります。節約したい人にはもってこいですね。

先ほどのレイアウトとも関係してきますが、社員を満足させることが効率アップにつながり、良い仕事につながるということを外資系は理解しているんです。

一等地

アメリカやヨーロッパに母体をもつ、しっかりとした大手外資系企業ならば、必ず日本支社は一等地にあります。東京、丸の内、赤坂、六本木等ですね。

なので、高い確率で高層ビルにテナントとして入ってあります。ビルの作りが新しく、設備もキレイで(トイレがキレイなのは本当に重要)、運が良ければ高層階のオフィスになるので景色も最高です。

僕がいたオフィスで一番良かったのが、新築のオフィスビルで、窓からは東京タワーが見えるという20階に位置するオフィスでした。

実力勝負

日本の国内企業にいる限り、アップダウン方式の年功序列スタイルには逆らえません。

どんなに自分の方が業績を上げていて、先に入った連中より仕事が出来ても、年齢通りに役職というポジションが与えられます。全くもって理にかなっていないシステムです。

在籍年数だけで、他人を管理しなければいけないようなポジションを与えられるなんて恐ろしすぎます。ということは、マネージメントスキルやコミュニケーションスキルが一切なくても、「僕、30年ここにいるんで」というだけで管理職になれるわけです。

そりゃー、上司に対して不満を抱く部下が急増しますよ。

更によくないのが、年功序列だということを社員全員が理解しているので、頑張らなくなるんです。それこそ新人時代は張り切るかもしれませんが、1年もすれば悟ります。「あ、無駄な努力だ」と。

外資系企業は、完全に実力勝負です。

自慢ではないですが、僕は入って半年程度で自分より先に入った人たちを置いて、リーダーを任せられました。では、そういったことが起きた時に、日本みたいに裏で妬みや悪口を言われるのか?

そんなことはありません。みんな悔しい思いは確かにします。ですが、その悔しい思いをバネにして仕事に没頭するんです。実力主義というのは、こういった相乗効果があります。

なので、リーダーになったからといって安心してられるかと言えばそうではなく、自分の立場に安心していると、いつの間にか違う人間が自分より成果を出して、「はい、リーダー交代!」なんてことも十分にあり得ます。

サッカーで考えてもらえれば分かりやすいです。

調子が良い選手はスタメンですぐに使われます。でもなかなかピッチ上で成果を出さなければ、すぐに交代させられてしまうし、次の試合はベンチスタート。最悪の場合は、ベンチ外になる可能性だってあります。

上がるのも下がるのも自分次第ということです。

外資系企業の年収

具体的な年収は、母体企業の大きさやその時の会社の業績に応じて変動するので、一概には「何歳でいくら」という数字を書くことはできません。

それに加えて、先ほども書いたように、個々の業績によっても年収は大きく変わってきますし、任せられている仕事内容によっても変わります。

ここでは、僕個人の経験として受け止めてほしいのですが… よく友達と集まって飲み会をする時に給料の話になることがあります。僕は他人に自分の稼いでる額を明かすのはあまり好きではないので、そういう会話の時はうまく流していますが、一つだけ言えることがあります。

同年代の友達全員よりは稼いでいました。

リーダー職を任せられる前の給与額で既に全員を上回っていました。(まー、それがあってあまり給与額を明かしたくなかったというのもありました)

僕の感覚でいうと、国内企業と外資系企業で、やっている仕事内容が全く同じだと仮定して、外資系企業で働いている方が国内企業の1.5倍近くは多く給料を貰えます。

国内企業の事務職で年収350万円だったら、外資系企業の事務職で年収は500万円越えになるということです。

もう一度言いますが、これは個々のスキルや仕事内容によりますので、あくまでも参考程度にしておいてください。

実力勝負の世界なので、「給料すくねー!もっとほしい!」と感じたならば、誰よりも成果を出せば正当に評価してもらえます。いくらでも昇給のチャンスはあるんです。

国内企業みたいに、「今は30歳だから400万円」という諦めモードに入る必要は全くありません。倍以上稼ぐかどうかは全てあなたにかかっているということです。仕事が全くできない先輩に先を追い越されるというような不当な昇格等によるストレスを受けることもありません。

期待されている英語力

求人広告によく記されている条件のひとつとしてTOEICの点数があります。1つの目安としては、TOEIC800点以上であることが多いです。

このページを読んでくれているあなたは、何かしらの形で英語を仕事で使いたいと思っているはずです。

そこで、実際に英語を仕事で使えるかどうかの判断基準をお伝えしたいと思います。中には、「英語必須!」と応募条件に書いておきながら、入社してみたら全くといっていいほど英語を使わない職場だったという話はよく耳にします。

また、入社する前に、その職場でどれだけの英語力を必要とされているかの判断方法についても、レベル別と特徴でお伝えします。※外国取引のある国内企業も含みます。

レベル1:あまり英語を使わない

英語スキル必須の求人内容にも関わらず、「あまり英語を使わない」というのはおかしな話ですよね。でも、実際にこういう求人が多いんです。困ったことに。

面談:
日本語しかできない人が担当します。面談で英語力を試されることはありません。「簡単な読み書きができれば平気だよ」と言われる。

求人に記されているTOEIC点数:
TOEIC800点以上。※そもそもTOEICの基準を理解できていない人が多い

期待されている英語力:
ちょっとしたメールのやりとりや、簡単な資料が訳せる程度。
日本支社勤務だからといって、全員英語を話せる人材を雇っているわけではありません。英語での交渉等をするのは管理職以上の人間で、一般社員は日本語だけで業務が済むことが多い。

まるっきり英語ができない人が多いので、たまにメールや資料読解で簡単な英語が必要になった時に、英語人材の登場です。つまりは、ただの英語便利屋です。

本当の意味で英語を使って仕事をしたいなら、こういった特徴のある企業は避けましょう。「日常的に、どのくらい英語を業務で使いますか?」と面接で聞くと良いですよ。

レベル2:日常会話ができる

面談:
日本人の面接官が担当しますが、英語力を試されます。今まで経験した内容としては、「この文章を読んで、翻訳してみてください」「自己紹介を英語でして下さい」です。

このような面接は2パターンあります。

1)面接を担当している人が英語できる
2)面接を担当している人は英語できないので、英語できる人が同席している

求人に記されているTOEIC点数:
TOEIC800点以上 ※基準を理解しているが重要視していない
多くの場合は「日常会話ができるレベル」と書かれている。

期待されている英語力:
このような求人内容や面談内容であれば、日常的に英語を使う職場だと判断していいでしょう。期待される英語力はお題の通りですが、日常会話ができるレベルです。

日々の業務で英語でのメールや電話でのやりとり、資料も英語表記のものが多いです。会議も英語で実施されるケースも多いと考えていいでしょう。

英語を使って仕事をしたいのであれば、この辺りから目を付けた方がいいです。外資系が初めてという方は、最初は不安に感じるかもしれませんが、友達と英語で日常会話ができるのであれば全く問題ありません。

周りだってネイティブの人なんてほぼ皆無です。一人いるかどうかぐらいです。みんな留学や独学で英語を習得した人たちばかりです。

専門用語やその会社でしか使わない英語は、入社してからすぐに見つきますのでご安心ください。

レベル3:プレゼンや交渉ができる

面談:
日本人の面接官と外国人の面接官が担当します。
面談すべてが英語が実施され、今までの職歴やスキル等も英語でアピールします。履歴書自体もアメリカ形式のものを提出します。

求人に記されているTOEIC点数:
TOEIC850点以上 ※基準を理解しているが重要視していない
「日常会話ができるレベル」「海外勤務経験者」等と書かれている。

期待されている英語力:
ここまで来ると本物の外資系企業です。職場にも外国人が多数在籍しており、職場内の会話が必然的に英語になります。

「期待されている英語力」ではなく、「英語が出来て当たり前」が大前提です。その大前提があって、「あなたは何が出来るんですか?」という話です。

なので、この項目は正しくは「期待されている仕事パフォーマンス」です。

日本人が日本企業に勤める際、「私、日本語できます」なんて言いませんよね?当たり前のことだからです。自分にしかないスキルをアピールします。それと同じで、本物の外資系の職場は、「私、英語できます」なんてアピールになりません。英語できることが当たり前なので、仕事上で何ができるかが期待されます。

取引先との交渉やプレゼン等もスムーズに出来なければいけませんし、資料作りも全て英語です。上司が外国人は当たり前です。

最も外国の職場環境に近いので、自己成長も望めますし、英語力に更に磨きがかかります。海外主張もあります。個人的にはこのレベルの外資系企業の仕事が一番楽しかったです。

英語はただのツール

レベル3を見て頂けると分かるとおり、本来は英語はただのコミュニケーションツールでしかありません。確かに英語ができるだけで、同じ仕事をしていても給料が上乗せされます。

ですが、本来は「英語+α」で勝負しなければいけません。

英語を使える環境だけを望んでしまうと、自分の成長を自分で止めてしまいます。それは、英語を仕事で使えるだけで満足してしまうからです。

でも、プラスαの部分を大事にしていくと、もっと仕事の幅は広がりますし、もっと人生の選択肢は増えます。それこそ「私、これなら海外でも働ける」という自信もつくので、調べる求人情報が日本だけではなく世界中になります。

これを言ってしまうと元も子もないですが、外国のような仕事環境や労働条件、英語を当たり前として仕事で使いたいのであれば、本来ならば海外に行ってしまうのが一番手っ取り早いです。

どうかプラスαで勝負することを意識してみて下さい。せっかく英語が話せる私たちです。ただの翻訳便利屋として終わるには勿体なさすぎる。

おまけ:TOEICについて

英語を当たり前のように使う職場では、TOEICの点数がどれだけ無意味なことかは理解しています。なぜならば、あれはただのライティングとヒアリングの試験に過ぎないからです。対話能力を測るような試験ではありません。

頭の良い人が対策をうってTOEICに挑めば、平気で800点超えます。

しかし、レベル1みたいに、ただの便利屋として英語人材がほしいところは、TOEIC点数を重視します。面接官も社員も誰も英語話者がいないわけですから、それしか測る方法がないんですね。

レベル2・3は、一応応募条件に書いておきます。理由としては、「全く英語できない人を弾くため」です。ある程度弾いた上で、面談で英語力をテストします。実際に英語で話してみないと、本当の英語力は分からないということを理解しているからです。

以前、僕がいた外資系企業にも、TOEIC900点という人材が入ってきました。でも、蓋を開けてみたら、簡単な日常会話レベルで済む電話対応もできなければ、メールを返すこともできませんでした。残念ながら、1ヶ月で契約解除になりました。

TOEICはあまり重視せず、いかに対話能力を向上させるかに力を注ぎましょう。

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