外資系企業でプロジェクトリーダーをやっていた頃の話です。
同じチームに中国人が5名、韓国人が2名いました。
その他10名は皆日本人でした。
では、このチームの共通言語は何だったと思いますか?
英語?
正解!・・・
と言いたいところですが、正解は「日本語」です。
中国人も韓国人も全員日本語話していました。
そして、僕たちが相手にする取引先は外国の企業。
そういう時は英語で話します。
ということは、僕のチームの人達は、
最低でもバイリンガル、最高でトライリンガルでした。
母国語・日本語・英語を使いこなす
中国人と韓国人をみて関心していた記憶があります。
同じアジア人の彼らが母国語以外の言語を、
(しかも英語より難しい日本語も)
こんなに流暢に話せて、日本人が英語を話せない理由は何なんだろう?
僕は真剣に考える様になりました。
目的意識がある
日本人に「なんであなたは日本語を話したいですか?」
と聞くと、大抵このような答えが返ってきます。
「なんとなく」
「話せた方がかっこいいから」
「話せた方が何かしら有利だから」
これって明確な目的とは言えないですよね?
以前チームの人達に何で英語と日本語を学んだのか聞いてみたら、
「日本に行って仕事をする為」
「日本やアメリカで仕事が出来るようになるから」
彼らは明確な目標を持って学んでいました。
中国の北京で誰しもが知っている大手企業で働いている
仲の良い中国人が教えてくれましたが、
彼が貰っている月給は4~5万円とのことでした。
はっきり言って、彼と僕はほとんど同じ仕事をしていたし、
中国側で何かあれば、僕は彼にすぐ頼っていました。
また、ITスキルで言うならば、彼の方が上でした。
なのに、それだけの低い給料だったんですね。
服は大抵バーゲンセールの時期に買うそうです。
そういった現状があるから、
中国のエンジニアは積極的に英語と日本語を学んで、
もっと給料の良い国へ働きに出るわけです。
「英語を話せれば、(使うかどうかは別として)、就職に有利だから。」
日本人のこの様なぬるい目的意識とは違って、
彼らは本当に「時代を生き抜くために」言語を学んでいます。
自分の意見を言う事が悪
日本で暮らしはじめて強く感じた事は、
皆が一緒の行動をしたがる、ということです。
どこかのブランドの服が流行れば、皆同じ物を着て、
何かしらの髪型が流行れば、皆同じ髪型をする。
今なら、男は大抵ツーブロックにしてますよね?
そして、「KY」という言葉が生まれるぐらいなので、
同調というものを重要視しています。
空気を乱す人はすぐに群れから浮いてしまって、
煙たがられてしまいます。
友人から聞いたことなんですが、
日本の学校で教師が生徒が意見に求める際
一つの意見が出ると、周りはそれに便乗するだけらしいです。
(僕は日本の学校に行った事が無いので分かりませんが)
もし、周りと違う意見を言った日には、
冷たい目で見られてしまうそうです。
日本の文化自体がコミュニティーを重視していますので、
とにかく群れが乱れない、秩序を保つことが大切とされています。
これは場面によっては良い時もありますが、
コミュニケーションが必要とされる場ではデメリットの方が大きいです。
会社に勤めていた頃、
海外の取引先との会議は頻繁にありました。
そこでの特徴なんですが、
アメリカ人や欧米人は自分の思ったことをすぐに口に出します。
分からない事ははっきりと分からないと言いますし、
反論したい事があれば、それも相手にしっかりと伝えます。
ですが、日本人はどうでしょうか?
分からない事は濁します。
今までの学校教育や文化の洗脳で、失敗することが「悪」だとされています。
脳内では、分からない事=失敗=悪 という方程式が成立してしまっているんですね。
会議で分からないことがあったとしても、
絶対に「分からない」ということは口に出しません。
そのせいでいつまで経っても質の高い話し合いをする事ができません。
また、はっきりと反論することもしません。
「うーん」というだけで、結局は相手に押されるがままになってしまいます。
そして、会議が終わった後にどういう行動に出るか?
日本人同士で「あーでもない、こーでもない」という愚痴大会の始まりです。
どこの企業に行っても同じような行動を取っていたので、
まず日本人の性質だといって間違いは無いでしょう。
英語で大切なのはコミュニケーション力
自分の意見を言えない者は外資系企業では出世できません。
というより、最悪の場合、解雇にもなります。
日本語ですら意思表示が出来ないのに、
英語を身に付けて、あなたは何を表現したいのでしょうか?
よく日本で目にする光景なんですけど、
外国人が頑張って日本語を話そうとしていて
その日本語がおかしかったりすると、日本人同士でそれをバカにします。
「何言ってるのか全然わからなーい」
「国へ帰れ~」
冗談で言ってるかもしれませんが、
その様な発言が出てくる思考自体に問題があります。
失敗するのが悪なもんだから、
失敗している人を見ても、それを見下す様に洗脳されてしまっているんです。
なので、自分がそうなもんだから、
自分がぎごちない英語で話しても、
外国人にバカにされてしまうという考えがあるんですね。
ですが、それは大きな間違いです。
頑張って英語で話してこようとしている人に対して、
僕や外国人がどのように思うか?
・こいつバカか?
・あーめんどくさい
・どっか行ってくれないかなー
こんなことは思いません。
「頑張って何を言いたいのか聞いてあげよう」
これです。
頑張って意思表示しようとしている人に対して、
馬鹿にするような言動はとりません。
相手が何を伝えようとしているのか、
自分も会話に参加しながらどうにか聞き出そうとします。
お互いの意思が通じ合うために単語を2000個覚える必要がありますか?
全くありません。
以前、ワイフと南フランスの村に行った時の話です。
南フランスはパリ等の首都に比べて、
本当に英語が出来る人がいません。
でも、どうにか話さないとお店等で欲しいものが見つかりません。
二人であるお土産屋さんに入りました。
そこには女性店主が一人いるだけで、
僕が英語で話しかけても、全く分からない様子でした。
そこで、英語が話せないワイフは、
英語を話せない店主相手に、知っている英単語を並べて話し始めました。
店主はそれに対して、首を傾げながらも、
フランス語で返しています。
10分位、この不思議な英語VSフランス語の会話が続きました。
最終的には、ワイフは「欲しいもの見つかった~」と言いながら、
店主と最後にツーショット写真を撮って、店を後にしました。
この時僕は、言語をマスターしているかどうかが重要なのではなく、
本当にコミュニケーション力なんだなー と実感しました。
流れに身を任せる
僕が英語で話した後、よくワイフに、
「何で今は●●という言葉を使ったの?」
「何で~という言い回しをしたの?」
と聞かれる事があります。
自分の言った言葉を改めてそう聞かれると、
結構悩んでしまうんですよね。
そして、僕はほとんどこう返します。
「うーん、なんとなく?」
はっきり言って、アメリカ人同士の日常会話なんて、
教科書に載っている文法通りに話しているわけではありません。
というか、スラングも混ざっているし、文法も崩しています。
なので、「何でそう言ったの?」と聞かれても、
フィーリングと答えるしかありません(笑)
だって、教科書的に言えば、使い方自体は間違っていますから。
でも、よくよく考えてみてほしいんですが、
あなたが日本語を話す時はどうでしょうか?
教科書通りに正しい文法で話していますか?
おそらく話していないでしょう。
かなり崩しているはずです。
あなたが「あざーす」「お疲れっす」「てかさー」を使っているのをみて、
外国人が何でそういう言葉を使ったのか?と聞いてきたらどうでしょう?
「そういうもんだから」って答えますよね、きっと(笑)
英語もそうなんです。
完璧に話そうとするから、話せなくなるんです。
自分の中で「まだ話せない」と思ってしまうから、
せっかく英語を話せる場があっても、引っ込んでしまうんですね。
そんな事はどうでもいいんです。
知っている単語をとりあえず並べてみて、
あなたの言いたいことを伝えてみて下さい。
フィーリングに任せて下さい。
戦えば戦うほど経験値が溜まってレベルアップするロープレゲームと同じで、
英語も使えば使うほど、言葉の使い方が分かってきて、レベルアップします。
なので、初めのうちはとりあえず使うことを考えて下さい。
会社で英語を使う機会が無いとか、
周りに外国人の友達がいないという場合は、
スカイプで話し相手を探すといいですよ。
僕もそうやってスペイン語の勉強をしています。
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P.S. –
「留学すれば外国人に囲まれるから勝ってに英語が話せるようになる」
と勘違いしている人も多いようですが、
留学先で英語力が身に付かない理由についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。