1日8時間。
頑張って働いた後、同僚と居酒屋へ飲みに行く。
そこでいつも話題になるのが「上司の愚痴」。
よく見る光景ですよね。
「あいつは本当に分かったない。」
「何もしてないよね。」
「っていうか、あいつ必要?」
「早くやめちゃえばいいのに。」
「うちらの気持ちわかってないでしょ!」
大体定番の愚痴と言ったらこの辺りでしょうか?
そこに各々の職場の事情を肉付けしていく感じです。
アフター6までストレスを引きずる
ただでさえ職場でいつも嫌いな上司と同じ空気を吸わなきゃいけないのに、
なんで折角のアフター6を嫌いな人の話ばかりするのでしょうか?
おそらく全てを吐きだすことによって、
ストレス発散をしているつもりだと思うんですが、
実はこれが逆効果なんですね。
脳科学的にざっくり説明すると、
対象物のことを意識すればするほど、
それは記憶に刷り込まれ、対象物に対してのアンテナが敏感になります。
例えば、あなたが朝の占いで、
『今日は水に注意しましょう』と言われたとしましょう。
そうすると、どんな些細なことでも、
「水」が関わると、「あ、占い当たってる!」ってなるわけです。
例えば、水たまりを踏んだり、
洗面台で服にちょっと水が飛び跳ねたり、
ほんの少しコップの水をこぼしたり、です。
でも、冷静に考えてみると、
これって別に日常的に誰にでも有り得る事ですよね?
これを心理学では「カラーバス効果」と言います。
意識している事ほど、アンテナが敏感になり、
それに関連する情報や事象が目に入りやすくなります。
「プリウスほしいなー」と思った途端に、
街中をプリウスが急にたくさん走ってる様に感じるのも
この効果です。
なので、「嫌いな上司」と意識すればするほど、
更に嫌いな事が目につくようになります。
上司が求めているものは何なのか?
日本では年功序列でランクが上がるので、
本当にスキルが無い人が上司になる事が多いです。
アメリカでは実績重視しているので、
スキルがある人が上司になる可能性が高いです。
でも、どちらにしても上司の愚痴は絶えません。
これはなぜでしょうか?
考えられるのはただ一つで、
お互いに見えている物が全く違うんですね。
一般社員は目の前にある木を一本見ていればいいですが、
上司は、林全体を見なければいけません。
そうなってくると、
一般社員からしてみれば、
「うちらの仕事を上司はできない。うちらのが偉い。
あいつは何もしてない。」という解釈になります。
ですが、そうではなくて、
確かに上司は一般社員のやっている仕事は出来ませんが、
その代り、色んな人がやっている仕事を、
全てが上手く回るように統括してみているんです。
なので、一つずつ細かい仕事を習得している余裕もありませんし、
必要性もないんです。
自分が出来ない代わりに、
部下が仕事をこなしてくれると信頼し任せているんです。
そして、あなたの上司の上には更に上がいて、
今度は「林」ではなく「山全体」を見ている人(役員)がいます。。
その更に上には、「土地全体」を見ている人(社長)がいます。

このように各ステージによって、
見えている光景も違えば、やらなければいけないことも違います。
ただ共通して言えるのは、
見えている世界の中の人達を信頼していることです。
じゃないと仕事が回りませんから。
ストレスを解消するための唯一の方法
それはやはり、
上記に挙げた構図をしっかりと理解することです。
そうすることによって、
それぞれにちゃんと役割があることが分かり、
自分の構図の中での立ち位置も明確になっていきます。
立ち位置が明確になってくると、
「何をしなければいけないのか?」
「何をすれば林、山、土地全体が良くなるのか?」
と自然と考えれるようになります。
そうなってくると本当に面白くて、
いつの間にか自分の組織の中でのポジションも上がっていきます(出世ですね)。
※外資系企業で部長をやっていたので分かるんですが、
自分が一般社員の時に上司に対して抱いてた不満ですが、
自分が上司になってみると、「あ、なんてお門違いだったんだろう」
って分かります^^;